日々雑感みぞぐち幸治のひとり言

抜本的な治水対策とまちづくり

2020年11月13日 (金) 06:58

おはようございます。

朝夕は寒くなりました。紅葉も綺麗な季節です。

さて、発災当初から人吉市と共に被災地に訪れる総理や大臣、政府関係者や蒲島知事をはじめとする県に対して訴えてきたことを簡潔に言うと

「抜本的な治水対策とまちづくりを一緒に考える壮大なプロジェクトなしには、地域住民の安全安心な暮らしは実現しない。だから国や県には新たな制度や予算的にも十分に対応してほしい」ということでした。

「抜本的な治水対策とまちづくり」これをもっと分かりやすく言うと、「抜本的な治水対策」は、これまでのダムとかダムによらないとか、という発想から脱却して、流域住民の生命。身体・財産を守り抜くためには、山も川も農地も氾濫した地域、水が集まる地域も含めて流域全体で、ハード、ソフト一体で進めていくこと。

ですから検証結果で明らかになったダムの効果を含めて議論し、溜まった土砂の撤去、河床掘削、堤防強化、遊水池の検討、宅地のかさ上げ、移転等、できることから、できることは全てやることを今後、しっかりと検討して実施してほしいと願っています。

それを議論して方向性を示すのが「球磨川流域治水協議会」であり、そこでまとめられるのが「球磨川流域治水プロジェクト」であると思っています。

但し、それがまとめられる前に必要な緊急的な対策にも着手するとのことですが、実際はそうは簡単にいかないような気がします。土砂撤去や河床掘削の要望は球磨川だけではありません。人吉球磨に流れ込む中小河川の多くで被害が出ています。仕事に携わって頂く業者数にも限りがあります。優先順位をどうするのか、また多くの住民の方が知らないようですが、河川工事をする時には漁業組合の同意が必要なのです。鮎漁の期間は工事ができないと聞いております。今後、このあたりの新たな仕組みづくりが重要になると思います。

いずれにしても二度と再び、尊い命を失いたくない、できるだけ財産も消失しないように対策をしなければなりません。同時に、清流球磨川を維持したい、環境や観光に与える影響を心配する方々の声にも耳を傾けなければなりません。

まさに「予断を持たずに最大限の環境的配慮と、最大限の流域住民の安全が両立する、より経済的な治水対策を追求する」その姿勢が大切だと感じます。しかも時間をかけずにできるだけ早く結論を出していかなければ「まちづくり」の進捗にも影響が出てきます。このことについては「まちづくり」のところで明日、書きます。

PS 写真は湯前グリーンパレス